2丁拳銃の笑いについて


2丁拳銃、彼らがもっとも得意とする笑いはやはり、漫才である。
というのも彼らはボケとツッコミがハッキリしていて
そのバランスが非常によく取れているからだ。 ネタの内容もしっかりしているが、
ボケとツッコミのバランスや間といった技術的なうまさも手伝っている。
ネタというフィールドでは2丁拳銃の位置する場所は高い。
しかし、これがしゃべり(フリートーク)になってくると彼らは
ただのすごくおとなしい青年になってしまう。
もともと小堀さんが前に出るタイプの芸人ではないが、
小堀さんが突発的にどんどんボケていかないと、
ツッコミである修士さんも前へ出て行けない。
だからといって修士さんが自ら前へ入っていくスタイルを用いたとしても、
それほどの破壊力は修士さんには無い。


それに番組では、自分たちから笑いを取りに行こうとしている姿が見えない
人のボケに笑い、ネタを振られても軽いボケで流す。
そういったところが関西芸人らしくなくて二人のよさなのかもしれないが、
そういう2丁拳銃を見ていると、
「俺たちには漫才があるから」と言ったセリフが聞こえてきそうで
私はあまり好きではない。(そんなこと思ってはいないだろうが…)
東京進出時、大阪時代に比べてネタをする機会がなくなり、
バラエティーの数が圧倒的に増え、そこで、いつまでも
あのスタイルのままで行くのはどうだろうかと考えたこともあったが、
今のネタブームに助けられ、ネタを披露する機会も多く与えられた。
M-1グランプリ2003では、惜しくも最終決戦3組には残れなかったが、
彼らの漫才のおもしろさを世間に見せ付けることができたのではないだろうか?


ではどうすればいいか? そうなるとやはり小堀さんの芸風が問題になってくる。
もちろんそのスタイルを崩す必要はないが、
力の抜けたボケと力の入ったツッコミという彼らには
やはり小堀さんがもっともっとボケて行かなくてはいけない。
それもたたみかけるようにどんどんボケて行かなくてはいけない。
それが特におもしろくないボケだったとしても、
修士さんのしっかりとしたツッコミがあれば、必ず笑いは取れる。
それにここ数年の修士さんのツッコミはますます磨きがかかっている。
今のスタイルにプラスαがないと陰の薄い芸人になってしまい、
お笑い以外で認められている歌の方だけが残ってしまうかもしれない。
それは2丁拳銃、そして彼らのファンの方が望むところではないと思う。



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●2000年07月09日初回更新日
●2005年01月09日追記・修正更新日