ナインティナインのネタについて


最近では、テレビでナインティナインの漫才を見られる事は無くなったが、
皆さんはナイナイの漫才を見たことはあるだろうか?
ナイナイがバラエティー番組のレギュラーを持ち始めてからファンになった人は、
ほとんど彼らの漫才を知らないのではなかろうか?
年に1度、9月9日をナイナイの日として、地元・大阪でライブを行っている。
あれほど忙しい中、しかも大阪でネタをやるというのは大変な事ではあるが、
「芸人ナインティナイン」として続けていって欲しい。
(みんな、売れるとネタをしなくなるんでね。)


いつもは岡村さんの動きやキャラだけが見られがちだが、
ナイナイのコントの内容は、とてもうまく構成力がある。
初期のネタで「チューイングガム」のネタをご存知だろうか、
矢部さんがガムを仕分けするお店の人で、
岡村さんが全身タイツ姿で、いろいろなガムになるのだが、
なかなか新しさを感じさせるものだった。
当時から、関西芸人でありながら、関西風味はほとんど無く、
そのような、東京っぽいノリでコントをしていた。もちろん、
そんなナインティナインのネタは、すべて岡村さんが考えている。


ナイナイが売れた理由の1つに、たくさんの漫才の賞を受賞した事があげられる。
その中で、賞を獲得した「恐怖症」のネタとういのがある。
仕事を探しに来た岡村さんと、面接官の矢部さんとのやり取りなのだが、
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(矢部さんに指をさされ、岡村さんはコミカルによける、
また指をさそうとすると、さらにものすごい速さでよける。)
矢部:「なんで、そんなによけるんですか?」
岡村:「先端恐怖症なもので…」
    (そして、その時)
矢部:「あっ!ゴキブリや!」
    (それに驚いた岡村さんは、ピョンと矢部さんの肩に飛び乗る)
矢部:「な、何ですか!」
岡村:「昆虫恐怖症なもので」
矢部:「そうなんですか。もう向こう行きましたよ。
    大丈夫ですから、降りてください。」
岡村:「…。」
矢部:「いや、降りてくださいっ。」
岡村:「…。すいません、高所恐怖症なもので。」
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このネタの構成のすごさとして、ボケが鎖状につながっており、
ボケが次のフリになっていくパターン。非常によくできている。
これらのネタを引っさげて、
デビュー1年目に、今宮戎新人漫才コンクール
デビュー2年目で、ABCお笑い新人グランプリ最優秀賞
(大阪では1番大きな新人賞かな)
そして平成5年には上方お笑い大賞銀賞受賞である。
(銀賞というのは最優秀新人賞のことであって、2等ということではない)
新人賞総ナメである。これはダウンタウン以来である。


もう1つ、昔のナイナイの漫才で覚えているのが
岡村:「小学生ってアホやろ。給食の時に出るバナナで
     シール付ついてるやつ、絶対取り合いなるねんな。
     ほんで、何すんのかなぁ〜思たら、デコに貼っとんねん。」
あとは全身タイツでポーカーをするネタや、
小学生ヤンキーのネタ(ヤンキーだが、小学生なのでバイクじゃなくて自転車。
そしてヤンキーなので、その自転車の補助輪の片方は外している。)などある。


ここで、お気づきだろうか?(もちろん全部だとは言わないが)
ナイナイのコントには”ツッコミを必要しない”ところがある。
関西芸人特有の怒鳴るツッコミをするという展開がほとんど無いため、
「シュール」、「都会派」というイメージを持たせた。
それが、東京で成功した1つの要因だとも考えられる。


全国区タレントとして、現在に至るそんなナイナイだが、
そのような地位を勝ち取ったのも、ナイナイのネタがおもしろかったからだ。
ネタのおもしろさを片岡飛鳥に見いだされ、東京進出の道が開けたのだ。



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●2000年03月20日初回更新日
●----年--月--日追記・修正更新日