雨上がり決死隊 宮迫博之について


宮迫さんは、乱暴、破天荒、理不尽といったキャラが確立されている。
そして、また芸風もそのキャラクター通りであり破壊的な印象を与えている。
しかし、実際の宮迫さんの笑いに毒々しさは全く無い。


おなじみの「宮迫です!」のギャグ。
当初、明石家さんまさん、ダウンタウン松本さん、今田耕司さんなどが
喜んでマネしていたぐらいだからインパクトのあるギャグではあったのだろう。
しかし、その一時期前、挨拶ギャグが流行りすぎた。
「はぁ〜ら〜だたいぞうです!」、「石井ちゃんです」、「三瓶です」など…。
(元祖はネプチューン泰造かな?)
正直、私は宮迫さんはただの二番煎じだとしか思っていない。
(それでも流行らせた方が勝ちだとは思うが。)


しかし、この「宮迫です!」。いつまでやっとんねんと思う。
結局は、ただのつかみギャグ、挨拶ギャグなのでいつまでやろうと勝手なのだが、
だた、宮迫さんの場合は、一度ウケるといつまで同じことしかやらない癖があり、
それがそのまま自身の芸やボケをワンパターンにしてしまってることに気付いてない。

そのワンパターン傾向にあり、且つ非常に多用しているパターンが、
「ちょっと待ってください!」と一度空気を止めてからボケる技術、である。
実はこれはとてもうまくて、それまでの空気を全部自分に向け、
流れを切ることで発言に期待感を持たすことができる技術である。
言ってること自体はそこそこでも、その技術のおかげでウケてしまうし、
番組で言えばテロップ付きのボケになるのである。
漫画の技法で言うと「見開き」のようなものだ。
そこそこの台詞や絵でも見開きで見せることによってインパクトがあり、
ここが衝撃を受けるシーンなんだなと読み手は無意識に理解してしまう。
宮迫さんも同じく意図的にそういった空気を周囲や視聴者に作っているのである。
なおかつ、この技術は必ずうまくウケてしまうがために、
宮迫さんはこの技術を多用しまくっている。1本の番組見てると2回ぐらいはやってるね。

あと応援的な掛け声の時には、必ず「自分らしく!」と言う。
確かにおもしろい掛け声なのだがワンパターン。こればかりである。

コンビシャッフルでおなじみの「史上空前!!笑いの祭典ザ・ドリームマッチ」
この番組でもやはりワンパターンで、昨年ウケた漫才のパターンを次の年にもやってしまう。
シャッフルした相手が誰であろうと関係ない。
前の年にウケたから今年もやっただけ、と感じざるを得ない。。

「二番煎じ」という話に戻したいのだが、
「めちゃイケ」のかま騒ぎなどで宮迫さんがよくやるドロップキック
あれも過去に、とんねるずのノリさんがよくやっていたことだったりする。
宮迫さんの場合、ドロップキックの対象が蛍原さん山崎邦正さんだったりするのだが、
ノリさんのドロップキックの対象は、後輩タレントはもちろんだが、
放送局の司会者や女子アナだったり、会場のお客さんだったりする。
同じドロップキックでも、やはりおもしろさに差がある。
ノリさんのドロップキックは笑えたが、
宮迫さんのドロップキックは、私はやっぱり素直に笑えない。


「二番煎じ」だったり、ウケたことだけをワンパターンにやり続けたりと、
宮迫さんにはそれ以外の要素(笑いのセンス、発想、トーク力)などは無いと思っていた。
というのも、デビュー当時のラジオ番組での彼のトークはおもしろくなかった、
というより、めっちゃ普通だった。リスナーのハガキに普通にまじめに答えていた。
その上、現在のような宮迫さん特有の勢いすらなかった。
しかし現在、東京に進出してからの宮迫さんのトークには感心させられる事が多い。
うまいのだ。おもしろいのだ。しっかりとオチがキマっているのだ。
何があったのだろう?努力をしたのだろうか?
昔、ラジオで話を振られても、「俺、エピソード何にもないから…」と、
マジで発言していた、あの消極的な発言はどこに行ったのだろうか?


あと、宮迫さんの笑いと言えば動きの笑いがある(最近はそうでもないか?)。
もともと「吉本印天然素材」のメンバーには動きを得意とする芸人がたくさんいた。
ナインティナイン岡村さん、FUJIWARA原西さん、バッファロー吾郎竹若さん、
そして雨上がり決死隊宮迫さんだ。
同じ動きの笑いでも、それぞれ動きのタイプが違うのだが
宮迫さんの動きはいつもお尻が強調される。しかし、それはFUJIWARA原西さんと同じだ。
うん?…と言うか、しゃべり方も似ているぞ?芸風もかぶってはいないか?
それに、2人が別々の番組で同じギャグをしている時もある。
どういうことだろうか??


彼ら二人は、吉本印天然素材の頃、
イベントなどで「マッスルブラザーズ」というユニットを組んでコントなどしていた。
だから、もともと笑いの方向というのはお互いに似ていたのだろう(!?)。
しかし今、別々の番組で2人が同じギャグをしているのはおかしい。
早い話、2人のどちらかがどちらかのギャグをパクってやっているのだ。
結論を言うと、宮迫さんが原西さんのギャグをパクってやっているのだ!
(これはもう、昔からのことではあるのだが…)。
しかも、大阪ローカル番組で披露した原西さんのギャグを
宮迫さんは無断でパクり、それを「ガキの使いやあらへんで!!」
「タモリ倶楽部」などの全国ネットの番組で
さも自分が考えたかのように堂々とやってしまうのは非常に残念である。
(しかも、それを見て山崎邦正さんがさらにマネをする。)
「ガキの使いやあらへんで!!」の「七変化のコーナーに登場するも、
7つのうちの2つは原西さんのギャグを丸パクリであった。
さらに、「だまっとけ!」「死ね!」「おしり!」などのフレーズも
すべて原西さんからの無断引用
である。
(パクリについては大阪ローカル「吉本超合金」という番組の中で宮迫さんも認めた。)


…などと言った事があるにも関わらず、「宮迫です!」を、
当時ミニモニが「辻ちゃんです」、「加護ちゃんです」と歌っているのを見て、
「オレのギャグ、パクっとるがな!」と怒る始末…。
(実際、つんく♂側が参考にしただろうが、キレるところではないはず。)


ナインティナイン岡村さんもよく他人のギャグをパクると言われるが、
宮迫さんとはまるっきり意味合いが違う。
岡村さんの場合は、パクってもそのギャグの持ち主がハッキリしている上に、
「パくる」ということ自体がボケになっている。
それに対して、宮迫さんの場合は、
他人のギャグ(というより原西さんのギャグ)を
大阪から東京へ持って行き、いかにも自分が考えたギャグだという顔で、
そのギャグのおもしろさを使って笑いを取ろうとしている。
この差は非常に大きい。
だから、同じ「パクリ芸人」としてまとめないでもらいたい。


要するにまとめると、宮迫さんにはオリジナリティーが無いのでは?と思っている。
冒頭で語った挨拶ギャグやドロップキック、原西ギャグのパクリ…、など。
正直、あの宮迫さんのキャラですら原西さんのパクリでは?と考えてしまう。
(袖なしGジャンのエピソードですら、原西さんのパクリである。)
それに、あれほどダメだったトークの技術の急激な進歩。
誰かのおもしろエピソード話にアレンジを加えて話しているだけかでは?などと、
正直、いろいろ疑問を持ってしまう(これは私の何の根拠もない想像)。
FUJIWARAが東京進出してからは、
原西さんのギャグをパクる事ができなくなってしまった為か
今現在は、ダウンタウン松本さんのおもしろフレーズを使用する事が多くなった。
何かを手本にしないと笑いを取れないのか?と思ってしまう。
そのダウンタウン松本さんは「宮迫は才能ある/売れるべくして売れた」と言うのだが、
私は、どうしても宮迫さんからは才能やセンスは感じられない。
今まで長年見てきているが、印象に残るような発言やボケも特に思いつかない。
持っている笑いのパターンも少ない。大喜利のセンスも特別良くはない。


しかし、そんな宮迫さんも笑いに対しては、かなりのプライドを持っている
例え、シャレであったとしても、「宮迫面白くない」と言われるとマジで気分を害する。
そして、「オレはおもろい!」と熱くキレながら言ってみたり、
「今のは、別に笑わす気なかったですからね」などと、
自分のウケなかった事を絶対認めない。


そして、宮迫さんは酒に酔うと自慢話ばかりするらしい。
「昔、岡村は俺に憧れとったんやぁ!」などと。



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●2000年05月20日初回更新日
●2010年02月26日追記・修正更新日