よゐこ 濱口優について


よゐこ濱口さんは、一時期、「普通キャラ」「すべりキャラ」などと言われていたが、
私は正直あんまりピンと来なかった。それに対し、
めちゃ×2イケてるッ!」のドッキリ企画で見事にだまされた時だけ
「天才芸人」と言われる。なんか濱口優に対する扱いがピンと来なかった。
それまでの濱口さんの笑いの評価の低さは、おそらく彼自身の
「天然だったり、かみかみだったり、目が泳いでいたり…」
そういう計算以外の笑いの多さが目立ち、
そういう箇所だけがおもしろがられ話題にされていたからだろう。


濱口さんは、「よゐこは"ボケ""とまどい"」とよく言い、
本人も、「また、噛んだわ」「またすべったわ」などという発言をし、
そのスベリっぷりを笑いにすることが多い。
もちろん、そのような発言自体はおもしろいのだけれども、
視聴者はボケとして捉えずそのまま真に受ける事が多い
それで 「おもしろくない」、「スベリ芸」というイメージがついたのだろう。
もっと、その言葉の裏に隠れている背景などを
考えてみても良かったのではないだろうか?
めちゃイケメンバーで1番のバカを決める企画で(本気で学力試験をする)、
英語の解答用紙の名前の欄に誤って書いてしまった、
計算外の笑いである「はまぐちぇ(hamaguche)」の方が
濱口さんのどんな計算しつくされたボケよりも話題にのぼり、おもしろがられる。
私はそれがなかなか納得できなかった。


しかし、ここ数年の間で評判が一気に良くなった。
それは「バカキャラ」を前面に押し出したスタイルを見つけ確立させたからだ。
それは、「めちゃイケ!」での数々のドッキリ企画でのリアクション、
ならびに「いきなり!黄金伝説」での「獲ったどー!」の流行り言葉、
それらの活躍で「天然キャラ」に替わり「バカキャラ」が確立された
どちらもほとんど差異の無いキャラクターだと思われるかも知れないが、
これは芸人としてはすごく大きな意味を持つのである。
と言うのも、巷の小学生などは「濱口は本当に頭の悪いバカ」だと思っているようなのだが、
過去に、志村けんさんがよく言っていた言葉に、
「客や視聴者に、志村って本当にバカだよなぁと思わせたらこっちの勝ち」というのがある。
濱口さんも同様、ちびっ子達に本当にバカと思われている。
それが芸人として価値を上げていることになり、現在の評価につながっている。
デビュー当時は「ボケの有野」と「ツッコミの濱口」だったのが、
良くも悪くも、今では立場が逆転してしまった感がある。
体を張ったりなどの体当たり企画には、ほとんどがボケ担当芸人がやる事が多く、
それをツッコミ担当がモニターなどでコメントするスタイルが多いようだが、
よゐこの場合は、そのような企画には必ず濱口さんが抜擢され、
バカっぷりやできてない様子がおもしろがられる。
それに対し、有野さんは重箱の隅をつつくようなツッコミ・指摘に長けていることもあり、
『できない濱口へ的確な指摘をする有野』という図式が成立している。
それが今のよゐこ2人のスタイルであり、それぞれの役割に合致していると思う。


「バカキャラ」について主に書いてしまったが、
芸人として、絶対必要な技術としてトーク力がある。
実は、ものすごくトーク力・話術がしっかりしている
ラジオでは、いつも仕切り役としてしゃべる。
ラジオだけでなく、テレビのトーク番組にゲスト出演した場合でも、
しっかりとした話術でおもしろトークを繰り広げている。
そして、いつもの事だが、その時の視聴者の感想は、
「濱口って、結構しゃべれるんだぁ」である。


結局、それまでの悪い印象が定着していたのも「めちゃイケ」が原因である。
あの番組はどうも出演タレントにキャラ付けをしたがる傾向があり、
ナインティナインはおもしろく仕立て上げるものの、
よゐこの2人は普通キャラやスベり芸と仕立て上げていた。
現在は、そのような定着した悪いイメージをを打ち消すほど、
よゐこの2人は他番組で才能を見せ付けてくれたのが嬉しい。
逆にナインティナインが他番組に出演した場合は、見事立場が逆転し、
岡村さんはスベリ芸になり、矢部さんは普通キャラとなる。
(どちらが本来の姿なのかは言及しないでおくが。)



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●2000年08月20日初回更新日
●2007年03月18日追記・修正更新日