ロンドンブーツ1号2号 田村淳について


果たして、田村淳はおもしろいのだろうか?
最近では、「笑えないお笑いタレントの上位」に位置するロンブーではあるが、
実際、その笑いの実力はどうなんだろうか?
私は、ロンブーの番組を観る限り、淳はおもしろいと思う、いや楽しいと思う。
笑いのレベルが高いかと言われると、それほど高いとは思えない。
正直、ベタなこともたくさん言っているが、淳の場合ベタがベタに聞こえない
それに、淳の笑いにおいてダジャレというパターンははずせないのだが、
そんなダジャレにも、つい笑わされてしまうことが多かったりする。
しかし「やられた!」とか「すごい!」と思って笑っているわけではない。
逆に言うと、それはお笑いという観点で見ていないという表れなのかもしれない。。


つまり、田村淳という芸人は「おもしろい」という表現よりも
「楽しい」という表現がピッタリくる芸人なんだと思う。
(さらに言うと、「芸人」という呼び名よりも「タレント」という呼び名がピッタリくる。)
「おもしろさ」のレベルは並みだが、「楽しさ」という点では爆発的な感じがする。
「すごい!天才的なボケだ!」と思わされることは無いが、
「とてつもなく楽しい冗談だ!」と思う事はある。
しかし、確かな実力はあると思っている。と言うのも、
淳の笑いは、しっかりと 「しゃべり」で勝負し笑いを取っているからだ。
他の番組にゲスト出演することなどほとんど無いが、
仮に、ひな壇に座っている大勢の芸人の中にいたとしても、
しゃべりでしっかり入って行けるだけの力量は持っている。


それに、淳はボケ担当であるにも関わらず、
司会進行、それにネタ振りまで全てを一人でやってしまう。
(お笑い的に言うと、ネタ振りはツッコミ担当にしてもらう方が笑いになりやすい)。
ロンブーの場合、お笑い本来の役割である「ボケとツッコミ」に
曖昧な感じを受けるはそのためである。
しかし、そういったコンビでの役割について深く考えた出した淳は、
ボケという役割を捨て、天然である亮をい転がしたり、また、
素人や他のタレントをいじれるような仕切りの役割に徹し始めている。
よって、2002年頃から淳の芸風には大きな変化が見られる。
「ボケ芸」ではなく、「ツッコミ芸」で勝負しているのだ。
こういった答えを見つけ出せた淳は、やはり芸人なんだと思った。
ツッコミ芸で、しゃべりで勝負できる仕切り
このタイプは明石家さんまさんや島田紳助さんがそうである。
新人の頃は、とんねるずのようになりたかった淳だったが、
ひょっとしたら、現在の淳の将来のビジョンはそこにあるのかもしれない。


通常、お笑いコンビのボケ役は仕事とプライベートでは別人という人が多い。
内村光良さん、ナイナイ岡村さん、130R板尾さん、東野幸治さん、藤井隆さんetcなどは、
私生活はおとなしく、ほとんどしゃべらないようだ(実際、見たわけじゃないが…)。
そして、おそらく、淳のプライベートはこういった芸人さんとは全く逆だと思う。
そういったところからでも、淳にボケ役というのは合っていなかったのかもしれない。
それに、さんまさんや紳助さん同様、攻撃するのは得意だが打たれるのは弱い
やはり、淳にとって、ツッコミ役・仕切り役がやはりしっくりと来ると思える。


稀に、淳は知的な部分も見せてくれる。
ぷらちなロンドンブーツ」の「ガサ入れ」や「NOT100」、
ロンドンハーツ」の「ブラックメール」等を観ていても、
人を騙したり、やり込めたりする事に関しては天下一品である。
これが、他の芸人とロンブーの差を引き離した淳の一番の武器である。
従来の芸人は、人にやり込められて笑われるのを逆手にとって
笑いを起こそうとするが、淳の場合は逆に人をやり込めて笑いを起こす
こういったあたりは淳ならではの芸風を確立しているように思える。



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●2000年04月25日初回更新日
●2007年03月18日追記・修正更新日